作品集
□school&
1ページ/2ページ
【school&】不知火×みっちゃん
放課後の帰路。今ヒマ?、とセフレにメールを送る。送信ボタンを押したすぐにケータイはスラックスの後ろポケットに突っ込んだ。返信待ち。4人の女に送ったから、1人くらいからは良い返事が貰えるはずだ。
〜〜♪〜〜♪♪
ポケット内で聞き覚えのある音楽と機械的な振動が、メール受信を知らせた。ケータイを開く前に、またメールが来た。
「ナツミとユミちゃん・・・」
2人のメールを読んでる途中に、もう2件。
「えー・・・あ、そっか」
4人とも、返事はノー。今は後期試験勉強期間。なんだかんだ言って、進路を決定付けるこの後期試験は皆落としたくないのだ。遊んでくれる相手が居ない事と、進路先の危うさが目の前に迫ってきてる今、勉強せねば。
「っても、ダリぃしな」
とにかく英語がすこぶる悪い。他はまあまあ出来がよろしく、本気を出せば平均点より4、5点高い点を叩き出せる。しかし、その功績を英語が足を引っ張る状態。
「英語なー・・・文法が・・・ちげぇ、単語が・・・」
あーだこーだ。ブツブツ言いながら下を向いて歩いていた。スニーカーに小石やら空き缶が当たった。
カツン、カツン、
ガッ
「いでっ」
鈍い音は、靴に何かが当たった音ではない。誰かと正面衝突した音だった。幸いに身長差があったので、誰かの胸に顔をぶつけた程度だった。
「あー、ゴメンねー」
恐る恐る上を向いて、確認。
「あれ?」
見覚えがある。我が校のバスケ部のレギュラー。確か、『不知火』と云う名字の奴。
「・・・っと、ふしか?」
「しらぬい、って読むんだ」
脳の皺がまた1本増えました。不知火、しらぬい、と。
「あれ、不知火、部活は?」
「試験前はどこも無い」
成る程。通りで校内チャリ置き場がすっからかんなわけだ。いつもなら運動部員のチャリがひしめき合ってるのに。
「そっか、そっか」
と、ここで話が尽きる筈は無い。なんて言ったって、2年生同士。話の最後の質問は、これで決まっている。