作品集

□椅子が壊れた
1ページ/1ページ

【椅子が壊れた】

ギィだかガコッだか忘れたが、痛々しい鈍い音がしたのは確かだ。
ちょ、少しもたれ掛けただけだって!信じてくれよ!なぁ!

え?あ、俺が壊したのには変わりない?
そ、そうです、ね。すみません!許して!

え?え?
『俺』の言うこと聞け?

えーヤダー。あ、生意気言ってすみません!
で、願いごといくつあるわけ?

無難に3つ、か。

分かった。3つまでならお前の言うこと何でも聞きます聞きます。

じゃあ、まず1つ目をどうぞ。

ええ?!
いや、それはちょっと。俺じゃ役不足でしょ、それ。

ひ、ひとまず1つ目は保留。ああ!!舌打ちすんなよな!

はい、2つ目。
いや、ほら、だからね?何で1つ目関連でグレードアップしてくんのよ。ダメだってば!

ほら、3つ目??!

え?

3つ目はそんなんで良いのかよ?

いや、そんなってものじゃ無いけど。
1つ目と2つ目と比べりゃ、まだマシ!

ほ、ほら!
3つ目は叶えてやるからよ。め、め、目ぇ瞑れよな!

いーか、す、するぞ!




こ、れで良いか?

あ゛ッ!!
お前目ぇ開けてる!
卑怯者ぉ!馬鹿!アホ!

え?椅子?
その件に関しては誠に本当に申し訳ない。








end.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ