作品集
□椅子が壊れた
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【椅子が壊れた】
ギィだかガコッだか忘れたが、痛々しい鈍い音がしたのは確かだ。
ちょ、少しもたれ掛けただけだって!信じてくれよ!なぁ!
え?あ、俺が壊したのには変わりない?
そ、そうです、ね。すみません!許して!
え?え?
『俺』の言うこと聞け?
えーヤダー。あ、生意気言ってすみません!
で、願いごといくつあるわけ?
無難に3つ、か。
分かった。3つまでならお前の言うこと何でも聞きます聞きます。
じゃあ、まず1つ目をどうぞ。
ええ?!
いや、それはちょっと。俺じゃ役不足でしょ、それ。
ひ、ひとまず1つ目は保留。ああ!!舌打ちすんなよな!
はい、2つ目。
いや、ほら、だからね?何で1つ目関連でグレードアップしてくんのよ。ダメだってば!
ほら、3つ目??!
え?
3つ目はそんなんで良いのかよ?
いや、そんなってものじゃ無いけど。
1つ目と2つ目と比べりゃ、まだマシ!
ほ、ほら!
3つ目は叶えてやるからよ。め、め、目ぇ瞑れよな!
いーか、す、するぞ!
こ、れで良いか?
あ゛ッ!!
お前目ぇ開けてる!
卑怯者ぉ!馬鹿!アホ!
え?椅子?
その件に関しては誠に本当に申し訳ない。
end.