作品集

□01.初恋って美味しいの?
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俺の『初恋』って何時?

周りは小学校とか、保育園の時とか言うけど。あれって中々ウケるしね?だってさぁ、幼い時の恋って節操無しじゃん。
チューとかしちゃってんじゃん。ないわぁ。
10年後の同窓会とかで会ったら恥ずかしくね?

え?俺の初恋の話?

俺さ、
彼女はいちお、居るし。
童貞じゃないし。

だけどさー、
自分の初恋が何時だか分かんねぇのよ。

初めての彼女が初恋かって訊かれたら、そうじゃないんだよなぁ。
なんか違うんだよ。

今の彼女のこと・・・
あー、まぁ、好きな方。

でも「別れて」って言われりゃ、別れちまうな。

てか、別れたい。
女ってマジダリィ。










「別れよう」

いつもの学校の帰り道。いつも通りの道。いつも隣にいる彼女。いつも繋ぐ手。

そんな『いつも』を変えたくて。変えちゃえ。

「・・・え?」

見た?女の顔。
信じらんない!って顔。
マジウケる。笑える。
ここで笑ったら人でなしな感じするから、しないけどよ。

「何で?何で?」

うわっキタよ。女の嫌な所。まず理由を訊くって言うね。ウザ。

「別れたいから」
「は?」

分かってる。理由になって無いなんてよ。だからってホントの事なんか言えないだろ?

お前がウザイから、なんてさー。

これ言ったら平手打ちくらいますよね、きっと。

「私の事・・・嫌いになったの?」

ヤッベ。この女マジしつこいんだけど。

「もしかして、他に好きな人出来た?」

ああ?
何、言ってんのコイツ。女ってこれらの質問好きだよな。
「私の事嫌いになった?」「他に好きな人出来た?」の2つ。別れる時訊いてくる、ゼッタイ!

ウザイ。

ホントウザイ。

「お前には関係ないだろ」
「関係無くない!」

うるさ。声デケェよ。つか、手ぇ離せ。

関係無くない、てさ。
お前、今、俺達別れたんだぜ?
イコール、
『お前、すでに無関係』

「言ってよ!誰なの?!分かった・・・ミオちゃんでしょ?あのぶりっこのどこが良いワケ?」

ヒステリックの域。鼻息荒いッスよー。てかさ、お前ミオと仲良いんじゃないのかよ。女って怖。

「ちげぇ」
「ナツミ?ナツミ?男はヤッパ巨乳が好きなわけ?キモイ!」

ウゼェ。マジでウゼェ。そりゃデカパイは男のオアシスだけどな。
そいやぁお前、胸無いよな。気にしてたんか?ウケる。貧乳ウケる。

「ヒド・・・」

おーと。泣く?泣く?

「ふぇ・・・っひ」

泣いた。ウソだろー。まさか泣き出しますかココで。そーゆーとこがフられる原因じゃないのー?

泣き止め。

「ひっく・・・ぅえっ」

泣き止めって。

「ばかぁ・・・ぅえっ」

泣き止めってば。

「バカぁ!!」
「あ゙ッ」

突如左頬を襲った激痛。女が俺に平手打ちをくらわせたのだ。

「っにすんだよ!?」
「うるさい。バカ」
「バカはお前だろ」

キッとつり上がった目。蛇女。しつこいこの女には丁度良いんじゃねぇ?

「死ね」

女は捨て台詞を残して走って行った。さも、俺がフられたみたいに。フられたのお前だからね。ふざけんなよ。


「あー・・・」

疲れた。
何、別れ話ってこんなにも体力消耗すんの?世の中の彼氏さんは大変だ。

彼氏と彼女。

男と女。

面倒臭い。
この言葉に尽きる。



「あ、」

しまった。
財布、ガッコに忘れた。災難は続くもんなのか。神様いないのか?

踵を返し、俺は来た道を戻った。忘れ物を取りに行く足取りは案外軽い。あれだ、隣にベッタリ付いてくる女がいないからだ。だろ?


***


『テスト採点中の為、通り抜け禁止』

この廊下を過ぎて曲がった所が俺のクラスがある棟だって言うのに。通り抜け出来ないってよ。
かったりぃ。


遠回り。遠回り。


あ、チア部じゃん。太股ムチムチ。ミニスカ。目の保養。
女と付き合うより、見てる方がよっぽどイイ。
でもコレは変態行為か。
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