新幹線でGO

□小さな芋煮会(山形&秋田、東北)
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「…」
「ああ、東北…」

リビングに通されると既に東北の姿があった。

「秋田…」
「早いね」
「ああ…」

短く答える東北。
その前には、山形自慢の白菜と赤蕪の自家製漬物やぺそら漬け。玉こんにゃく、甘味噌のタネを紫蘇で巻いて揚げた紫蘇巻きがところせましと並んでいる。

「うわぁ、美味しそう…」

秋田は目を輝かせ空いているところへ腰を下ろす。

「食後に、東北さ買っできてくっだ林檎パイがあるっけ」
「本当?」
「うんだ…」

山形は、熱々の芋煮を人数分運んで来る。

「美味そうだな」

東北がぽつりと呟く。

「本当美味しそう…」
「たぁんと作ったべ。たぁんとけ…」
「わぁ…。いただきます」

秋田は箸を持つと手を合わせ、早速汁を啜る。

「うん。美味しい」

満足げな秋田の表情に、思わず顔を見合わせ苦笑する山形と東北。

「いただくか…」

東北も、芋煮に手を付ける。
白い湯気に乗って香ばしい香が部屋を満たし、暖かい部屋と、『美味しい』と言ってくれる人の言葉が気持ちを満たす。
山形は、満足そうに二人を見遣った。


終わり


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