新幹線でGO

□クリスマスの夜に(長野&山陽)
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そして、約束の日。

「こんばんはぁ」

山陽の部屋の前。ドアをノックする。

「ああ、よく来たな。はいりな」
「お邪魔します」

山陽は快く招き入れる。

「適当に座りな」
「はい」

長野は遠慮がちに腰掛ける。まだ小さい長野。ソファーが長野を包み混む様に沈む。心地良さに長野は軽く身体を弾ませる。目の前の食べ物に若干はしゃいでもいた。

「飲み物はなにが良い?シャンメリー?オレンジ?」
「えっ、えっと…」
「始めはこっちにしとく?」

シャンメリを掲げる。長野はコクりと一つ頷くと山陽は目の前のシャンパングラスに半分程注ぎ、自身のグラスにも注ぐ。

「本当は皆で祝いたかったけど勘弁な」
「そっ、そんな…」
「一先ず乾杯」
「乾杯」

軽くグラスの触れる音が心地好い。

「まあ、好きなだけ食え」
「はい。いただきます」

目の前のオードブル、チキン、サンドイッチとテーブルの上に所狭しと並ぶ。

「後でケーキもあるからな」

頬に着いたケチャップを脱ぐってやりながら告げる。その表情はどこか穏やかだった。

「ありがとうございます」

長野は嬉しそうに礼を述べた。
そして、大分時間も経ち、良い時間になる。

「そうだ。山陽先輩」
「うん?」
「プレゼントです」

小さな包みを取り出す。

「これは…」

早速封を開けると小さな新幹線のストラップが出てきた。

「500系ではありませんが…」
「ううん。ありがとうな」

軽く瞳を細め頭を撫でる。

「へへへ…」

長野は、山陽の横に腰掛けると恥ずかしそうに山陽に寄り掛かる。

「山陽先輩。僕…」
「長野…」

山陽の大きな手に小さな手を重ねたと思うと、そのまま寝入ってしまった。

「全く…」

軽く溜息を吐くと、長野を抱き上げ、寝室へ向かう。

「良い夢見ろよ」

そっと布団をかけ額に口づけを落とす。すると長野は、うっすらと笑みを浮かべ、吐息を立てる。山陽は、その枕元にプレゼントを置くとそっとドアを閉めた。

終わり


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