読み物・文 ―短編ばかり♪―

□chocolate.
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*



カカシが雑誌をパラパラと見ていると、背後から声がした。
「カカシさん」
「何だい?白ちゃん」
「あの…何時もボクのウサギさんを直してくれるから」

可愛らしいチェック柄の包み。「開けて良い?」と訊ねると、白はうなずく。「あ…」
 
チョコレートだった。星形やハート形のチョコレート。少し不器用な形だが、カカシにとってそれはどうでも良くて。
一口、口に入れる。甘い味が口いっぱいに広まった。「白ちゃん…有り難う」白は顔を真っ赤にして俯く。「白ちゃん、おいで」と手招きする。カカシは白を抱き締める。

 

胡座のカカシに白は、正座する形になる。カカシは、肩より伸びた白の髪を指でとかして、左の耳たぶを甘噛みした。白はカカシにしがみつく。
「…可愛いな」

指で頬を撫で、柔らかな首筋に舌を這い、右手で白の内股を撫でて行く。白は感じているのか、カカシの首筋に腕を回す。「感じてる?」
「う…ううん…」
「白ちゃんは本当にお菓子みたいだね」
「お…お菓子?」
「可愛いって事さ」
カカシは微笑みながら、白に口づけを交わした。白はカカシの頬に手を当て「カカシさん…」と呟いた。
「なぁに?」
「…何でも無いです」
「俺は白ちゃん好き」
「はい」
「好きで良かった」
「はい」
カカシは白を思い切り抱き締め、そして「夕ご飯作ろうか」と言った。
白はうなずいた。



*



夜。
カカシは白を抱き締めながら眠りに就いた。
チョコレートの香りが部屋中を包み込んだ。

 



終。
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