読み物・文 ―短編ばかり♪―

□サクラナミキ。
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サクラナミキ。(カカシ仔白)

「大人の人は泣かない」というのは、間違いだ。





「白ちゃん」
「何ですか」
「桜、見に行かない?」
「桜?」
「そ、夜桜見物」





ここ最近、白はあまり任務についてない。つけても、BかCランク。Aランクは2ヶ月前の話。今日も再不斬は部下と任務に行っている。何故、連れて行かないかはカカシは知っていた。彼はこう言ったのである。
「あいつは強すぎる。それが、怖い」

白は、本をしまい、鏡台の引き出しからチョーカーを取り出し、着ける。そして、髪の毛を梳かす。どこからどう見ても、少女。
 


―これじゃ、ザブザ君も困るね―

カカシは微苦笑を浮べながら「さぁ、行こうか」と白を促した。





満月。
煌く月光と堤燈の灯りで、桜の色を浮かびあがらせる。屋台が(夏程でもないが)チラホラ並んでいた。少しばかりの人込み。
「白ちゃん、りんご飴食べる?」
「いいんですか?」
「うん」
    

カカシはりんご飴を買い、白に手渡した。礼儀の良い白は「有り難うございます」と言った。
「もうちょっと奥に行くとね、とっても綺麗な桜があるんだよ、見る?」
そう言われて白は、小さな手でカカシの手を握った。
「連れて行って下さい」と、言わんばかりに。







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