婆裟羅!
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「――カーテネ。表向きはただの一企業だが裏社会では――」
「だぁああもう!知ってるから言わなくていい!」
この眼帯、なんっつー厄介な組織から来たんだ!
こっちの人間なら絶対知る必要がある只今、アメリカ中心に各マフィアを束ねつつ勢力を伸ばしている最も活発な組織…
「アンタはそこの殺し屋…」
「Of course.」
成る程ね……
その組織の勢力拡大はぶっちゃけると早すぎる。でもそのバックにこの眼帯みたいなのがいれば…
殺し屋みたいなのがいれば…
「実力行使の強制統合が出来る………アンタの組織に逆らう連中とかは、アンタが黙らせてきてたってぇわけ?」
眼帯は菓子を食べ進める手を止め、ゆっくり頷いた
つまり眼帯は始末係か…
『従わぬ者共には――死を』
「なんで逃げたの?」
「殺しが嫌になったから」
……そう言ってくれればまだ良かったのになぁ
しかし現実はなかなか上手く行かないものだ
眼帯は
「組織内での抗争に嵌められて、追われる立場になったからだ」
そう言った
「………」
マフィアって怖いなぁ
やっぱりそういうのはあるんだね
なんか殺伐としてそー…
「アンタ、わりと敵多そう…」
私がそういうと
「わからねぇ」
眼帯はそう回答した
「俺は指示を受けて仕事を全うしていただけだからな」
知らねぇ内に仲間も殺すような任務もあったかもな、
と淡々と述べる眼帯
「嵌められたのは俺の上司」
「そいつは俺に『逃げろ』と言った」
「『生き延びろ』と言った」
「だから俺はその命令に従ったまでだ」
「途中まではその上司がある程度指示をくれていたが……途切れた。そこからは自分で動いた。ここまで来たのはただの偶然だ」
組織から逃げるにより安全な道を選択し続けて辿り着いた、成り行きの場所。がここらしい
日本。
電車は30分に一本級のド田舎…
コイツが安全と判断したこの地は勿論私にとっても安全な場所
「いつまで逃げ続ける気?」
「誤解が解けて組織に復帰するか、俺か上司が死ぬか、追っ手が諦めるまで」
「それっていつ…?」
「I don't know.だから…」
それまで面倒見るのか…
めんどくさい…
「組織に纏わる情報も可能な限りでいいから、調べて欲しい」
「……やれる事は全部やるつもりだから、安心して」
そこから、組織や眼帯自身について色々話している内にあらら、気付けばもう11時
今日はここで打ち切る事にした
私は早口で眼帯に言った
「先にお風呂入っちゃっていいから。ここで左曲がってすぐ。着替えは向こうにある棚から適当に使って。父さんが使ってたやつとかがあるから。今日はもう休んでどーぞ」
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