音色を響かせて

□01.うたかた
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いやだ、

やだ、やだ、やだ!


どうして、殺されなくちゃいけなかったの?

どうして、父上達だったの!

こんなに大好きだった、みんな優しい人たちだったのに……!











雨は嫌いだ。


重い雨が身体に突き刺さる。痛い。
暗い暗い視界には、愛する人の亡骸があった。

もう、生きてはいない。


あんなに会いたくて、触れたくて走り続けてきたのに、今は“それ”が怖くて仕方がなくて、指一本さえ、触れられなかった。勝手に腰が抜け、その場に座り込んだ。

大好きだった。約束だってしていた。


だけど………



そう。もう、全部、全部……



全部、無くなった。

全部、終わったのだ。
















『――――――終わってなどおらぬ、朱音!!』






声が聞こえた。

閉じていた目を開けると、胸に抱えていた刀が温かくなって、鞘に金色の模様が浮かび上がった。


浮かび上がったのは三つの家紋。


知ってる。知ってる。知ってる。


この刀は………





『朱音』っていう、名前は――――――――――





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