音色を響かせて
□01.うたかた
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いやだ、
やだ、やだ、やだ!
どうして、殺されなくちゃいけなかったの?
どうして、父上達だったの!
こんなに大好きだった、みんな優しい人たちだったのに……!
*
雨は嫌いだ。
重い雨が身体に突き刺さる。痛い。
暗い暗い視界には、愛する人の亡骸があった。
もう、生きてはいない。
あんなに会いたくて、触れたくて走り続けてきたのに、今は“それ”が怖くて仕方がなくて、指一本さえ、触れられなかった。勝手に腰が抜け、その場に座り込んだ。
大好きだった。約束だってしていた。
だけど………
そう。もう、全部、全部……
全部、無くなった。
全部、終わったのだ。
『――――――終わってなどおらぬ、朱音!!』
声が聞こえた。
閉じていた目を開けると、胸に抱えていた刀が温かくなって、鞘に金色の模様が浮かび上がった。
浮かび上がったのは三つの家紋。
知ってる。知ってる。知ってる。
この刀は………
『朱音』っていう、名前は――――――――――
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