あまつき

□無関心
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「一人で抱え込んで何が解決すんだよ!一人で抱え込んで…楽しいかよ!」

露草は大きな声で怒鳴ったあと、鴇の前から走り去って行った。

「露草さん…っ」

鴇は咄嗟に露草を追いかけた。
そして、鴇が自分を追いかけていると気付いた露草は、今よりもっとスピードを出して走った。

「待ってよ露草さん!!」

「付いてくんな!」

「露草さんの誤解だよ!俺、みんなのこと信じてるよ!信じてないわけないじゃないか!!」

すると露草はピタッと止まって言った。

「じゃあ答えろ。なんでお前はいつも無関心そうな面してんだよ…。なんで受け入れ難いようなことを、何もなかったかのように受け入れられる!!」

露草は鴇の胸ぐらを掴んで言った。

「…俺は幼い頃、両親を亡くして、一人で外に蹲ってたらね、ある男の人が声をかけてきたんだ。それが俺とその人の出会いだった。

けど、その人は事故にあって死んだ。…その時の俺はその真実を受け入れられずにいた。

でもね、このままじゃダメだと思って受け入れたよ。…その時から俺は、いつ何があっても…絶対真実を受け入れるって決めたんだ」
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