シェリー

□おやつの時間に手軽な殺人
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「先週来たから今週は来ないかと思った」
「休もうと思って電話したら、キングが今日のお菓子は特別だって言うから仕方なく?」
「……要するにエサにつられたわけだ?」












いつもならここでうるさいわね、の一言くらいあるのだが、どうやらお菓子のほうが重要らしいクラリスはべつのことに口を使い始めた。もくもくと食べている姿がどうも小動物っぽいのだが、破壊力と性格からしてもはや肉食動物でしかない。

「俺なりに、事件のことを調べたんだが──」
「事件って、なんの」
「トランプたちの」
「んー…」

クレイドルからしてみれば多少のリアクションが欲しかったのだが、クラリスは全く関心無さげだった。それどころか結果はいいよ、なんて言っている。

「実は犯人、もう見当ついてるの」
「……はっ?」
「だって見当ついてるって言ったらだれなのか聞くでしょう。聞いたら懲らしめに行くでしょう」

なにを当たり前のことを。
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