バーボン
□罪と咎とで手軽な殺人
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あなたたちはいつもそうよ。口では愛していると囁きながら、残酷なことをする。
あなたたち、にこの男は入るのか。アレイストが知りたいのはそれだけだ。
「クラリスはキングの恋人でしたからね。滅多なことはできませんし、それにワタシのクラリスに対する思いはどちらかと言えばエドワードに近いですからね」
「妹は刺さないと思いますよ」
「君とは違いますからね」
「……じゃあ、そのキングはどんな人だったんです?」
「尊敬は出来ないが、王たるべき器の男でしたね。気分屋なところもありましたが」
「殺されたというのは本当ですか?」
「……誰がそんなことを?」
横で聞いているクレイドルは傍観を決め込むことにしたらしい。一切口出しはしませんという意思表示なのか、目をつむって背もたれに深く寄りかかっていた。
「誰でもいいじゃないですか」