バーボン
□月に隠れて手軽な殺人
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……ピリピリ。ピリピリってレベルかなあ……。
「まあなんにせよ、大丈夫なようで安心しました」
「当面は大人しくしていないといけないから、ダイヤのキングの話は持ち越しね。惜しいところまでいったのに」
「……アップルの話は、どうするんです?」
クラリスは紅茶の入ったカップを口もとへ運んで、アレイストの問いには答えなかった。ややして、諦めたようなため息をつく。
「それを聞いてくるように言われたのね?」
「…実は」
「いいわ、隠しておくことでもないし。結論から言うなら、どちらも受けるわ」
「……え?」
「アップルは兄さんに聞いてみないとわからないけれど、ワンダーランドに関しては許可をもらっているからほぼ決定。」
「アップルもやるんですか?」
「仕方ないわ、わたし、ヴィンセントにはあまり強く出れないの」
右目を抉って――