バーボン

□月に隠れて手軽な殺人
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クリストフはなんだそんなことか、と言わんばかりに興味なさげな顔をした。

「簡単ですよ。僕と同じ匂いがする」
「匂い?」
「あなたをどうにかしてやりたくてたまらない、危険な香りですよ」





悔い改めよ。





「体の調子はいかがです?」

アレイストは来るなりそう言って、クラリスの顔色を確かめた。
あれから数日して、クラリスがだいぶ回復したという話を聞いて見舞いに来たのだ。最も、クラリスに家に来ることは断固拒否され、こうして自宅近くの喫茶店にいるわけだが。

「すっかり……というわけにはいかないけれど、だいぶ良くなったわ」
「そうですか、良かった」
「あなたにはお礼を言わないと。血をわけてくれて、ありがとう。それと、主人が失礼なことを言ったみたいで…、」
「ああ、べつに気にしてませんよ。私もあなたのように魅力的な奥さんがいたら、ピリピリするでしょうから」
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