シェリー

□衝動的に手軽な殺人
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「どうぞ、座って」
客室のひとつ。
そこで、クラリスは下から拝借してきたワインのコルクをひねっていた。
ポン、と軽い音がする。
「……」
「警戒しないで。あなたをどうこうするつもりはないの」



「…じゃあ、犯人の最終的な狙いはクイーン?」
「たぶんね」
「でもそれなら、」
「それだからこそ、キングはまわりくどいことをした。犯人からすれば、クラリスとふたりきりで仕事が出来るなんて大チャンスでしょう。怪しいやつとクラリスとを組ませて、帽子屋に監視させる…帽子屋が視ていたのは、クラリスと組んだほうだったのよ」
クレイドルは納得のいかなそうな顔をした。なんで自分が怪しいやつなんだと言いたげである。
「疑われた人間にも共通点がいくつかある。…グリフォン、あなたキングに血を吸われたことあるでしょう?」
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