Sweet Orange

□shadow melts.
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「あぁ………」



こんなのだったら昨日合コンなんかにいくんじゃなかった、と溜め息をつく。


あのあと慌てて男の家をでて、実家で繕ってきた自分の情けなさ。


地元から離れた大学に通っている分、こちらに戻ってこれることが嬉しくてついつい友達の誘いに乗ってしまった。


「元気ないね」


教育実習に同じく帰ってきた友達に話しかけられる。


元気なんてでるわけない。ハメ外して知らない男の家にさっきまでいましたなんで笑って話せるほど軽くない。



胸がズキズキする。




考えれば考えるほど。







あの男は、剛に似ていた。





剛に。






「美優?」


「あ、うん、体調悪くて…」



やっとあの場所を抜け出して、地元に帰ってきたと思ったのに。



暗い気持ちのまま、実習生の挨拶をすませ、受け持ちのクラスに顔を出す。
クラスに入るとき、すれ違い様に挨拶される。



「どーも」




馴れ馴れしい生徒もいるもんね、と顔をあげると。




「………は?」




例の男がいた。





「留学してたから19歳は嘘じゃねーから」




ひらひら、と手をかざして席につく。

待て。



待て待て待て待て待て待て!





 
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