ベルフラ部屋

最期に君に…。
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《運命の歯車》

眠い。
でも、脳が起きろと信号を送る。
仕方無く起き上がると、大きな欠伸をした。
回りは知らない物ばかり。
白と黒で統一された殺風景な部屋。
思い出せない『あの人』
『あの人』と笑い合い、愛し合った日々。
覚えているのはそれだけ
『あの人』の顔はいつもぼんやりとぼやけていて、誰だか分からない。
「……ミーは…誰が…『あの人』なのか…分からない」
涙が零れた。
「う…ぐっ…ひ…」
その時、ドアが開いた。
「フラン!?」
金髪と、白髪が部屋に入ってきた。
「フラン……お前死んだんじゃっ」金髪がミーの肩を揺さぶり、問いただす。
死んだ?
ミーが?
「いつ……?」
「昨日…任務で……」
心からの絶叫。
「ミーのッ……ミーの『あの人』はッ…
ミーの『あの人』は助かったんですか…?」
「あの人…?」
血が上った。
金髪の肩を掴み問いただす。
「あの人をッ……
ミーの『あの人』を出せっ!!」

首に衝撃が走った。
意識が遠退く。
「ミーの……あの人……。」
「『あの人』って誰だぁ?」
「分からねぇ…。」

ベルはベットに倒れたフランを見つめた。

お前は何がしたいんだ?

(フランは泣いていた。)
 

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