アールグレイ
□恋愛〜切ない〜
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さよなら
僕はもう死ぬんだ…………。
もうすでに息はかろうじて続いている状態だ。
そんな状態でも、君はいつも通り平然としている。
当たり前だ。
君には感情がないのだものね。
君には言葉が発せられないのだものね。
でも、死ぬ前にせめて、君に……
「笑って、サヨナラって言って欲しかった………な」
すると君は
微かに口角を上げて
僕の知る限り
初めて言葉を発したんだ。
「さよな、ら」
僕はその光景を目に焼き付けて…………。
そして
ゆっくりと
目を
閉じたんだ。