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□本編
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「第一問、朝起きると俺は自分のベッドで寝てました、なんででしょう?」
「「ピンポーン」」
「はい、双子!」
「涼が青磁を呼んだから!」
「青磁が緋を運んだから!」
「なんで起こしてくんないんだよー!!」


まじありえねぇ、朝すげービビった!

昨日は晩飯食べて、部屋に戻ったのは良いんだけど…浅野の内緒話を聞いちゃったから2人で居るのが気まずくて、部屋を飛び出した。
そんで双子の部屋でゲームして、そのまま寝ちゃったはずなんだけど?
朝起きたらいつの間にか自分のベッドで寝てるし、浅野はもう部屋に居なかったし。
朝からパニック。

とりあえず着替えて教室行って、今双子に事情を聞いたとこ。
まさか浅野が運んでくれたとか、昨日逃げたのに、ごめんって感じだ。

昨日の事とか色々浅野と話そうと思ってたんだけど、かちが来てHRが始まっちゃったから無理だった。
HRとか授業中に喋ると、かちってばすぐキレるからな。殴るし。

仕方ないからノートをちぎって、ごめんって書いて浅野の肩越しに投げた。
すぐに紙が戻ってきて中を見ると、何のこと? って書いてあった。
何がって聞かれたらいっぱいあって困る。
昨日逃げた事とか、運んで貰った事とか、内緒話聞いちゃった事とか。
浅野に誤りたい事だらけだ。

全部は小さい紙切れに書ききれないから、後で話したいって書いて、また放った。


2回目の紙切れを放ってから、返事が来ないまま3限が終わった。
休み時間になる度に、浅野は席から居なくなって、話す機会が全然なかった。
もしかして、本気で怒らせたのかな?
俺と口もききたくないのかな?

でも、それならやっぱり謝りたい。
顔見てちゃんとごめんって言いたい。
浅野が出て行ったドアをじっと見てると、聞き慣れた高い声に呼ばれた。


「緋ーどしたの?」
「紫音」
「今日はなんだか元気ないね? なんかあった?」
「浅野の事、怒らせたかも…」
「っ…」
「紫音?」
「もー青磁が怒るわけないじゃん」


そう言って、いつもみたく笑ってたけど、なんか変な感じがした。
もしかして本当に怒ってんのかな?


「緋、本当に青磁は怒らないと思うよ?」
「へへ、さんきゅ」
「だーかーらーちゃんと話すんだよ!」
「ん、わかった」


俺が考え込むと、顔が不安そうだよって、ぎゅってしてくれた。紫音は本当に優しいな。
俺のこと気ぃ遣ってくれたのかな?

そんでもって、やっぱり上原に怒られた。して欲しいなら紫音に言えば良いのにさ。
せっかくなぐさめて貰って良い気分だったのに。

紫音は上原に取られたし、浅野は教室に居ねーから、もうちょっと気を晴らすために吉岡の所行って、話聞いて貰うことにした。






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