Toccata
□雨のち晴れ(純心)
2ページ/4ページ
「ハァ〜」
俺のため息を聞いていた雅弥が言う
「気にするなよ、俺達も行こうぜ」
要さんが用意してくれた車で雅弥と学園に向う
教室に行く足が重い、まだ怒ってるよな雅姫…
「雅姫なんて、ほっとけよ」
「でも…」
「雅弥!!」
隣のクラスのサッカー部の仲間に声をかけられる
「悪い巧、先に教室行ってくれ」
「ああ」
教室のドアを開けると何時もと変わらない賑やかな教室
「蒼井君、おはよう」
「おはよう」
「巧、今日は雨で部活休みで残念だったな」
「まぁ、仕方ないよ」
何時も同じ様にクラスメートに挨拶して他愛の無い話を交わすけど雅姫の周りはだけはピンッとし空気が張りつめて誰も近づけない空気が漂う
参考書を読む雅姫に話しかける
「昨日はごめん、今日は雅姫の部屋に泊まりに行くからさ…」
その言葉にクラスメートの視線は俺と雅姫に一気に集中する
「蒼井、雅姫と付き合ってたのか?」
「ええっ!!巧君と雅姫ちゃんて付き合ってたの?」
「やるな、巧」
「巧、キスぐらいしたのかよ」
「美男美女のカップルだよね、羨ましい!!」
「蒼井って手早いって噂マジだったのかよ」
「親公認なのか?」
雅姫が本当は男だって事はクラスメートは知らないから俺達は散々冷やかされる
「///違う、誤解だって!!」
「巧、照れるなって」
「認めちゃえよ」
「雅姫も良いのかよ、誤解されてるんだぞ」
俺は助けを求める様に雅姫に問う
「僕は構わないよ、どうせなら本当にしたら?」
「西園寺さんは認めたんだから男らしく認めちゃえよ!!」
「だから誤解だって言ってるだろ」
「皆さん、HRの時間はもう始まってますよ、席について下さい」
何時の間にか教室に入って来た修一先生のお陰で騒ぎは収まったけど、噂はアッという間に広がり俺達は付き合いる事になってるらしい‥
雅姫とちゃんと話したいけど、学校では無理だな余計な噂が立ちそうだ
放課後は大雨の為、部活は休みで生徒会も休み重い足取りで昇降口へ向うと雅姫が居る俺は早足で近づいた。
.