文章修行のためにお題をお借りしました。(文章修行家さんに40の短文描写お題)

ルール
1、65文字以内で完結した話を書く。(オーバーしても1〜3文字)
2、抽象的な書き方をなるべく避け、情景を描写する。
3、ストーリー性

戦争編終了後の話も含みます。
甘いのも暗いのもごっちゃ。
夢要素なしのキャラ同士または単品の話もあり。

キャラ:ルーキー、ハートの海賊団、三大将、一部白ひげ隊長、一部七武海、W7(職長、CP9)




01.告白

 その視線は熱っぽくて、囁く言葉はどんな女にするより甘かった。
 いつかお前をおれのものにする。
 青の世界に腕を広げ、船長は不敵に笑った。

(海に恋するロー、65文字)



02.嘘

 広場で子供たちに少女が絵本を読んでいる。
 己の長い鼻をつつき、カクは肩を竦めた。
 彼女たちに吐いてる分に比べれば、なんて短さだろう。

(カクと夢主、64文字)





03.卒業

 見慣れていた筈の海は、船の上からでは知らない顔をしていた。
 遠く、島陰が霞む。バイバイ。
 今日からは、ここからの景色が自分のすべてだ。

(シリーズ夢主、65文字)




04.旅

 水色の髪の王女様は、今は船にいない。
 それでもあの航海の日々は、確かに自分達の胸にある。腕の印をそっと撫でた。
 今も彼女は、共にいる。

(麦わら海賊団とビビ、65文字)





05.学ぶ

 知識なら、今まで沢山身に付けてきた。
 けれど、誰かを信じて強くなる誇りや喜びは彼らに出会って初めて知った。
 私はもう、一人じゃない。

(麦わら海賊団とロビン、64文字)





06.電車

 満員電車で手の甲と甲が触れた。
 狭いからな。そう斑面の彼が笑う。
 もう一度甲が触れた。さっきよりも長い触れ合いに、私はそっと俯いた。

(エース夢、64文字)





07.ペット

 名を呼ぶ。小さな声にも関わらず、赤の尾が振り返る。
 船長?
 疑うことなく見上げる瞳に、よく躾ができていると、ローは喉を鳴らした。

(ロー夢、62文字)





08.癖

 廊下を軽い足音が駆けていく。つい、ペンの動きが止まる。
 聞こえてくる笑い声に、無意識に耳を済ましていた自分にペンギンは苦笑した。

(ペンギンとシリーズ夢主、63文字)





09.おとな

 青臭さを滲ませたまま、己の正義にひた走る。向こう見ずで愚かだが、自分にはないものを持っている。
 若いねぇ。
 呟いて、そっと頭を撫でた。

(海兵夢主とオジキ、65文字)





10.食事

 毎日己が作った料理が、仲間たちの体を形作る一要素になる。
 怒り笑い戦い、そして生きる。
 それを支えられることのなんと誇らしいことか。

(サンジ、64文字)




11.本

 航海の日々の積み重ねは、文字を書き連ねていくことに似ている。
 キャス!
 チビが駆けてくる。
 さあ、今日というおれ達の冒険譚の始まりだ。

(キャスとシリーズ夢主、64文字)





12.夢

 クザンは、起き抜けの体をぐっと伸ばした。
 目蓋の裏に見ていたのは、柔らかく微笑む少女の姿だ。
 さて、どうやって今日は仕事をサボろうか。

(クザンと夢主、65文字)


 悪魔との契約で力を手に入れ、親友と共に海へと繰り出して数年。
 水平線の彼方への思いはあの頃と少しも変わらず、今もこの体を突き動かす。

(キッド、65文字)





13.女と女

 社長秘書と比べ、どうしたって見劣りする。そんな体に凹む部下を小突く。
 お前はそのままで十分だろ。
 言ってから、恥ずかしさに声を荒げた。

(パウリーと部下夢主、65文字)





14.手紙

 携帯を開いて数秒。打ちかけのメールを消去した。
 なんだか久しぶりに、あの底抜けに明るい声で自分の名が呼ばれるのを聞きたい気分だった。

(学パロ、キラー夢、65文字)





15.信仰

 掲げる旗に踊るは骸骨。これは自由と意思の表れだ。
 お遊びに掲げているんじゃない。この下に皆集い誓い、夢見てる。
 あの人が王になる日を。

(各海賊団クルー、65文字)




16.遊び

 コインの裏表。
 賭けられたのは、今夜のお互いの予定だ。
 真っ赤な顔をして裏と言い切る部下に、今回ばかりは負けてやってもいい気がした。

(マルコ夢、64文字)





17.初体験

 乱闘後の甲板で、俯く姿を見つけた。
 固い表情と、白くなる程握り締められた拳。
 一線を越えた恐怖に震える体を、言葉の代わりに抱き寄せた。

(ロー夢、65字)





18.仕事

 船の上では誰もが役割を持っているらしい。
 じゃあ、自分にはどんな役割が?
 船長に聞けば「馬鹿みたいに笑ってろよ」って両頬を摘まれた。

(ロー夢、64文字)
 ある意味、船長にからかわれるのがお仕事。





19.化粧

 休みに出くわした生徒は、薄く化粧をしていた。いつもと大きな違いはない。
 だが何故かそんな小さな雰囲気の変化に、マルコは酷く動揺した。

(学パロ、マルコ夢、65文字)





20.怒り

 大柄の男が友人の頬を殴り付ける所を偶然見かけた。
 静かすぎる程抑揚なく、声をかける。
 振り返った男に死相がなかったことが、残念だった。

(学パロ、ホーキンス夢、65文字)





21.神秘

 五人前の炒飯を瞬く間にボニーが崩していく。
 デカ盛も形無しだ。ブラックホールか。
 身近にあった宇宙の神秘と店の人の呆然顔に合掌一つ。

(学パロ、ボニー夢、64文字)





22.噂

 万人の手垢にまみれた話を、赤毛のチビが蹴散らしていく。
 顔が怖いだけじゃん。
 そう言う癖に、戸惑いなくキッドの腕に抱き着いて笑うのだ。

(学パロ、キッド夢、65文字)





23.彼と彼女

 目前の壮絶なやり取りは、まさに訓練の域を越えている。
 互いしか目に入っていない二人に、とんだ乱暴な愛情確認があったものだと嘆息した。

(サカズキと夢主、65文字、クザン視点)





24.悲しみ

 半身をもがれた、とはよく言うものだ。どれだけ失おうが、己は青い炎と共に再生する。
 心の痛み同様、生々しい傷がこの身に残れば良かった。

(戦争編後マルコ、65文字)





25.生

 流れていくだけの日々は、退屈で仕方ない。刹那的な快楽だけがすべてだ。
 両手を広げ、宙に舞う。
 飛び散る血と怒号に、心臓が高く脈打つ。

(戦争編中、ドフラミンゴ、64文字)
 なんかこういうイメージ。
 刹那的な時間の連続の中でしか、生きてるって思えなさそうだ。





26.死

 眠る彼の頬に手を添える。
 指先に、冷たさがしみた。心に冬が訪れたようだ。
 それを溶かす太陽は海の底に沈んだまま、もう二度と目覚めない。

(戦争編後、エースと夢主、65文字)





27.芝居

 瞳を見張る女に、弾丸を撃ち込む。
 五年間最も近くで、ルッチの愚かな劇を見ていた観客だ。
 弱まっていく鼓動が、静かに閉幕を知らせていた。

(ルッチ夢、65文字)





28.体

 カポネの目の前で、次々と皿のタワーが積み上げられていく。
 この細い体の何処にこの量がいくのか。己の能力以上に、不思議でならない。

(ファーザーとボニー、63文字)





29.感謝

 長い腕は、奇異の目で見られやすい。
 アプーの腕って、一杯幸せ抱えられそうだな。
 そう笑った相手に胸が熱くなって、笑って抱え上げた。

(学パロ、アプー夢、63文字)





30.イベント

 起きて騒いで飲んで暴れて寝る。大体それの繰り返しの日々。
 それなのに、ワクワクが止まらない。
 船長と歩む毎日は、全部が特別に光り輝く。

(ローとシリーズ夢主、65文字)





31.やわらかさ

 それが魅力的で、つい手を伸ばしてしまった。
 ふかふかふわふわ。雲みたい。
 どうかされたかな。密やかな微笑みに、やっぱり主人の性格に似るんだと感心してしまった。

(僧正と夢主、65文字)





32.痛み

 大した怪我ではない。今までに比べたら、微々たるものだ。
 なのに、女はずっと泣き通し。
 これが一番堪える。肩を抱き寄せ、悪ぃと囁いた。

(ゾロ夢、64文字)





33.好き

 真正面からぶつけられた二文字に、私もですよと軽く返す。
 手が、掴まれた。
 もう一度ぶつけられた二文字に、今度こそ誤魔化せず、赤面した。

(ルフィ、65文字)





34.今昔(いまむかし)

 堕ちた、と言うのは人の勝手だ。
 少なくとも己は、昔と変わらず同じ道を歩み続けている。
 今も心に背負うマントには、正義が揺れている。

(ドレーク、63文字)





35.渇き

 砂漠に花は咲けない。
 だからこそ、あの少将がこれ程目障りなのかもしれない。
 女が寄越した花を枯らし、握り潰す。
 衝動が腹の底で渦巻いた。

(サカズキ夢主とクロコダイル、65文字)





36.浪漫

 苦労して開けた宝箱の中は空っぽだった。でも、ないなら作るまで。
 ベポとあれこれ相談して、思い出の品を詰める。
 こういうのも、悪くない。

(ベポとシリーズ夢主、65文字)
 探すロマンがあれば、宝を作るロマンだってきっとあるさ。





37.季節

 くるり、と。優雅にターンした女が笑う。
 出会っていくつの春が過ぎただろう。
 重ねられたいくつもの暦の束が眩しく思え、そっと目を伏せた。

(サカズキ夢、65文字)





38.別れ

 眠る彼の額に触れたのは、戯れ。
 愚かで甘い人だった。明日にはもう、その甘さを見ることもない。
 この指先の熱のように、私の存在は消える。

(カリファとアイスバーグ、65文字)





39.欲

 夏になると、酷く目のやり場に困る時がある。
 ブラウスの下に、せめて何か着て欲しいものだ。遠回しに注意すれば、返ってきたのは「わざとです」の一言。
 目眩がする。

(学パロ、マルコ夢、65文字)





40.贈り物

 今日に限って何故かクルーが静かだ。
 望みを聞いても、もう貰ってると首を振るばかり。
 訝しむローの手を握り、な?と満面の笑みを浮かべた。

(ロー夢、65文字)






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