稲妻1

□何者にも変えられない唯一
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何者にも変えられない唯一


※映画・小説版 『イナズマイレブンGO 究極の絆グリフォン』ネタバレ。
 その後話中心ですが冒頭は途中かな。大分捏造してます。当たり前か、二次創作←
 聞きかじりダーク含みます。(誰か私に3DS下さい)
 視点がころころ変わります、読み辛いですすみません。








「強くなきゃ、何も守れない」


 呟く言葉は自己暗示に近い。


 最愛の妹を守れなかったのは、僕が弱かったから。

 強くならなきゃ、強くなきゃ、

 強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く

 強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く



 最初から心は壊れてた。

 身体は動かなかった。


 でも、それが僕がサッカーに触れた始まりだった。

 絶望的な、終わりから始まった間違ったスタートだった。


「そしたら、会いに行ってもいいよね」


 誰よりも強くなったら、きっとまたやり直せる。

 だから、待ってて。僕を、許さなくていいから。








「初めまして、シュウっていうんだ。よろしく」


 その男は突然このゴッドエデンにやって来て、全てを制圧した。

 どこからともなくやってきた彼は、多分自分と同じかそれ以上に強くて、そしてとても寂しそうだった。

 微笑んだ奥の瞳の冷たさが、とても印象的な。


「君が、白竜だね?」

「……何故」

「ごめんね、君たちのことずっと見てたんだ。この島にこんな施設が出来てからずっとね。

 その上で、君が一番僕に近しいと踏んだんだ。だから、君を利用しに来た。

 ……なんだっけ。プロジェクトゼロ? 是非とも僕も混ぜて欲しいな」

「……お前が、俺を利用するって……?

 笑わせるな、ゼロにしたって何故フィフスセクターのことも知らないお前に、」

「話が通じないのは嫌いなんだよね、黙って頷いてよ。

 きっと僕たちなら、究極を孕める」


 彼は足元のボールを無造作に放った。

 それから、フィフスの異例の特訓に堪える弱い奴らに向かって……正確には、そいつらを虐め倒す機械に向かって、何の気負いもなく蹴り込んだ。


 どう見ても軽く蹴っただけだったその仕草で、機械が木っ端微塵になった。


「ね、どうかな」

「……異存はない、な」


 彼はその瞬間、さっきとは180度転換した無邪気な笑顔で、俺に向かって手を差し出した。


「よろしく白竜」

「……よろしく、シュウ」


 握り返して微笑む。

 ある人物が重なって消えた。


 剣城京介


 俺が唯一仲間として勧誘した相手。

 究極を易々と捨て去って出て行った男。


 悪くない、と思う。

 剣城はもういないし、俺とあいつはきっと交わらないものだった。

 ならシュウと肩を並べることできっと俺は究極になれる。


「俺達は、俺達自信の力で究極になる」
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