稲妻1

□どっちがより好きでshow!!
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どっちがより好きでshow!!



 ―――ライオコット島某所にて―――



 発端は言うまでも無く一人の駄神によるものだった。寧ろ犯行、とも言うべきかも知れない。

 彼は島にある山を登り、誰かと親睦を深め帰ってきて、あろうことにこう言ったのだった。


「君達がラブッラブなのは知ってるけど、なんかもっと凄いのいたよ」








「「………はぁ?」」

























「でさー、聞いてもいいか、亜風炉」

「なんだい南雲」

「何がどうしてこうなったんだよ」


 南雲の目の前には、丁度数ヶ月前の自分を体現したかのような痛々しい格好をした一組の男子が(男女ではない、断じて)ふんぞり返って座っていた。

 負けじと胸を張る涼野を見て溜息をつき、間に割って入るかのように座っている亜風炉にそう問いかける。

 傍若無人が板についている彼は、なんてことなくこう言った。


「君達と、この二人。どっちがより相手のことを想ってるのか比べてみたくてー」

「………何だよ……つまりナニカ? 俺らに相方の褒めあいでもしろと?」

「そんな感じだけどちょっと違うよ、恋人自慢さ!!」

「お前マジ死ねばいいのに」

「神だからあと300年は生きます」

「勝手にやってろ」


 あぁそうだった、こいつに言葉は通じないんだった。

 
 南雲は眉を寄せ、改めて向かいの二人を観察する。

 真っ白な服を着たみつあみの男と、真っ黒な服を着た何だか髪の量がやたら多い男。

 よく見てみれば、服装こそアレなものの、黒い方が浮かべている表情には覚えがあった。


 ………お前、俺と同じタイプか。


 そう思ってからもう片方に目をむければ不思議と相手が涼野のように見えてくるのだからしょうがない。


「………なぁ風介」

「なんだい晴矢」

「帰っていい?」

「………」


 だが、今回ばかりはウンザリしているのはどうやら自分だけではないらしい。

 ほっとして席を立とうとした瞬間、


 かしゃん。


 足枷が、嵌った。


「ごめんねー、南雲。退室不可」

「てめぇ亜風炉」

「でねー、あ、そうそう紹介するね。

 こっちの白いのがセイン、天空の使徒さん。で、こっちがデスタ。魔界軍団Zのキャプテンさんだよ」

「魔界と天界っておもくそ敵同士じゃねぇかよ」

「亜風炉の同類か……」


 ふんふーっ、と鼻歌を歌いながら亜風炉は今度は反対側に立ち、二人に南雲と涼野の紹介をする。

 どう伝えたのかは聞こえなかったものの、相手の反応を見る限りあまり良い紹介には見えない。


「と、言う訳で、二組とも似てるなーって思ったら恋人自慢とか聞いてみたいなーって思ったので集まってもらいました!!

 僕が満足するまで部屋から出られないからよろしくー」




 
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