稲妻1

□Over run
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Over run


結局人間なんて取るに足らないものだった。
小さな存在過ぎたんだ。
生きているように見せかけてただ繰り返す日常のどこに、「生」を感じればいい?
俺らが馬鹿みたいに積み重ねた一つ一つなんて、塵にすらならないくらい、簡単に消し飛んだ。

そぉだろぉ?
俺らがあがこうが嘆こうが、それで世界が変わる訳じゃねぇだろぉ?
とまることなく悪化の一途をたどるのが運命なら、身を任せて流れて居ればよかったんだよぉ。
だけど俺らはなおももがく。
届かない泡となって消えたちっぽけな夢の残骸を求めて。
だから、そんなのやってられなくて、俺はそれを握りつぶした。
一片の肉片も遺さないくらい粉々にして、残光を掻き消して。

俺が此処に存在することにはじめから意味なんてなかったんだよ。
掻き消した夢は、残留思念となっていまなお俺を苦しめるけれど。
何を夢見てたかなんて忘れた。
生きているようで死んでいる俺には、夢なんか必要なかっただけで。


そんなくだらない毎日を、糞みたいな生き様で。

俺らは何故突っ走る?
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