稲妻1
□例えるなら君の隣で
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例えるなら君の隣で
皆がいてくれたから、僕はアツヤにならなくて良いと知った。
完璧は、アツヤになることとイコールじゃない。
「...皆のおかげなんて言ったけど。」
吹雪は自分の少し後を走る豪炎寺の姿をちらりと見て、ふ、と微笑んだ。
「一番は、君のおかげなんだよ豪炎寺くん。」
僕が辛いとき、手を差し伸べてくれたのは君だったね。
感謝しても仕切れないんだ。
それどころか、君に親愛以上の思いを抱いてる。
「吹雪っ!!」
吹雪へのパスが渡る。
ゴールは目の前、絶好のフリーチャンス。
よし、と深くうなづいて、彼はウルフレジェンドを放つ。
瞬く間も無い刹那。ボールはネットに突き刺さった。
「よしっ!」
「いいシュートじゃないか、吹雪。」
くしゃり、と頭をなでる豪炎寺。
微笑み返して、くるりと体の向きを変えた吹雪。
「僕が、豪炎寺くんからもらったボールを蔑ろにするなんて、それだけは絶対に無いよ。」
FWは僕と君。
君の隣を誰かに譲ろうとは思わない。
もう一度、走り出そうか。
(今度は君が、シュートを放って)
―――
俺ブンの二人はこんな感じ、だと思いたい。
もちろん、自己満足です。