稲妻1

□温かさにつられて
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 温かさにつられて

   大きく息を吸って、吐く。
   どきどきと高鳴る心臓はそれでも収まらない。
   俺の吐き出す二酸化炭素が、一体どれ程地球温暖化に貢献している事か。
   まぁ、限りなく微量の話で、それどころか0%に近いのだけれど。

「ダーリンっ!!お待たせっ!!」

   後ろから抱き付いてきたのはリカ。
   もう何度そうされたかわからないのに、いまだになれない俺。
   しどろもどろになっていれば、彼女は神妙な面持ちで「どうしたん?」と尋ねた。

「・・・俺の呼吸はどの程度温暖化に貢献してるのか考えてた。」
「なんやそれっ!ちゅーか、吐いた息にだって酸素は含まれてるやろ?小学生の実験や。」
「あ〜・・・そいやそうだったかも。」

   呆れたといわんばかりに目を閉じて首を振る彼女。
   その仕草が可愛らしくて、俺は彼女の額にキスを贈った。

「な・・・ななっ・・・。」
「言葉になってないよ☆ 全く可愛いんだから、リカは。」
「はわ・・・ダーリンっ!ちょっ・・・ここ公衆の面前やでっ!?」

   真っ赤になっている彼女の手を取って、さぁ行こうか、と歩き出した。
   たまの外出。2人きりのデートも悪くない。

   見上げた空はスカイブルー。
   温暖化の影響は、全く見えなかった。


     キミと居るだけで、俺の心は温かくなってる。
       (リカ、顔真っ赤だね。・・・あ、温暖化?)
         (いつまでそのネタ引っ張るんや!)

                                  END

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