稲妻2

□Time Limite
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Time Limit T


吹雪Side

   抱きかかえた膝の間に埋めた顔。
   夜に闇に沈んでこのまま消えていくのは酷く怖い。
   けれど、それもいいかな、と思った。
   1人の夜は冷たくて、まるで世界が僕を拒絶しているようだった。

「僕の世界はキミだけで構成されてる。」

   誰ともなしにつぶやいて消えていった言葉。
   返事をしてくれていた敦也は、もう僕の中に存ない。
   それはすなわち、「吹雪士郎」を支えてくれた寄り辺はもうないのだと。

   キミの事を思って泣いた夜も、馬鹿みたいに嬉しかった光り輝く昼も、僕が居て、敦也が存て、それでこそだったのにね。

「・・・キミの瞳に僕を映してよ。」

   ムナシク響いた僕の独白。
   観客は誰も居ないから、僕のこの狂った感情は空を覆う黒に隠して。

「だってキミのせいなんだ。この感情を知ってしまったのは。」

   きっとこの気持ちは俗に言う「好き」とか「愛してる」より遥か上。
   だって、今の僕はキミを殺してでも僕のものにしようと思うから。
   そうしてそ知らぬふりをして、敦也が存たその位置に、君を閉じ込めてしまいたい。



     僕が狂っていると言うのなら、それはそれで構わない。
       (それを実行するまで、あと何日、何週、何ヶ月?)
          (繋ぎ止めてるのは細い細い蜘蛛の糸)
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