稲妻2

□ggrks
1ページ/2ページ


ggrks

※読み手に優しくない視点変換の多さです。お気をつけて。



 ――何故かを俺に尋ねるな。

 ――君のことは、知っていたいと思うけど

 ――何故かを俺に尋ねないでください。

 ――君のことは、私だけが知ってれば構いません。 




 こんな気持ちになるのはまず初めてだ。
 
 ついこの間まで普通に喋る事が出来ていたのに、最近では晴矢を直視できる機会がめっきり減った。
 
 無意識に顔に熱が集うから、それがかなりイラついた。





「晴矢、あのさ」





 最近の風介はかなり挙動不審。俺の顔を見ようともしないし、見た瞬間目をそらす。

 なんとなく、分かってはいるんだ。けど。


「んだよ」

「……いや、なんでもない」

「あっそ」


 遠目で見られる歯がゆさは、まだ風介には教えない。

 勝手にROMってろ馬鹿野郎。言いたいことはハッキリ言え。


「……晴矢」

「だから、なんだよ」

「私と君は、ただの幼馴染だよな」

「そーなんじゃねーの? 幼馴染の定義について聞いてんなら、俺よりヒロト、もしくはネットでググれ」


 言いたいことは分かってんだよ。



「サッカー教えて」

「ググれカス」

「どこで練習しているんだい?」

「おんなじとこだろが」

「好きなタイプは?」

「Yahoo!でググれカス」

「次いつ会える?」

「夕飯の食堂」

「アイス食べる?」

「それ昼間も聞かれた」

「……好きな人とかいるのかい?」


(教えたいけれど…)


「んなのてめぇで考えろバーカ」


 お前がそうやって逃げてるうちは、俺だってなんも答えねぇっつーの。




 晴矢の返事がつれないから、言われたとおりにググりました。と言う事を、ヒロトに話したら爆笑されました。

 ……うん、私はこれで結構傷ついてるよ。


『んなのてめぇで考えろバーカ』


 その返事を、心の中でリピート、リピート。

 自己解釈、自己満足、自分の都合のいいように。

 そう、君ならきっと、『いるわけ無いだろ、そんくらい察しろ』……って、なんて戯言を妄想したんだ。

 真っ赤に燃える髪と、勝気な黄金の瞳。くるくると変わる表情が、頭の中を巡る、巡る。

 直視できない、なんて言ってた割に、中々どうして私は仕草を覚えてるじゃないか。


 君が好きだよ愛してるんだ。


 不意に浮かんだ言葉は真実。

 ……ああそうか、なんて簡単なんだろうね。 

 君の気持ちが聞きたいなぁ。


「シューズのサイズは?」

「ググれカス」

「パンツ何色?」

「どうした風介」

「パンツ履いてる?」

「死ね変態」

「ずっと好きだよ」

「……でっていう」

「愛してるよ」

「なに阿呆言って」

「気持ち分かって」




 分かってるよ。認めてやるよ、お前が本音、言ったから。

 こんな態度じゃ嫌われるよな。本当は俺は、


「少しくらい、気付けよ鈍感」

「……晴矢?」

「勘違いすんなよな。別にお前がそう言うからじゃねぇからな。

 そう、顔がどーにかなってんのは、さっきまで必殺技の練習してたから」

「……私は、君のことが好きだよ、晴矢」

「馬鹿みてぇなこと言いやがって」

「これから側にいてくれないか?」

「そんなのお前次第だっつの」

「私は君を愛するから、君も私を好きになれ」

「……考えといてやる」





▼You search it with this google
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ