no title 2

□Sweet birthday for you !!
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Sweet birthday for you !!

※禊もが付き合ってる設定。



 今日は、禊ちゃんのお誕生日だった。

 付き合い始める前に聞いたとき、禊ちゃんはいまいち乗り切れないような、そんな歯切れの悪さで教えてくれた。


「『僕は』『毎年一人だったからね』

 『あんまり』『誕生日に感慨持った事とか』『無かったな』」


 その時、私はある種の使命感に燃えてしまって、こう宣言したのだった。


「じゃあ、次の禊ちゃんの誕生日は、とっても素敵な日にするから!!」




「いや、別にいいんだけどさぁ、お前ら付き合ってんだろ? せっかくだし二人っきりでお祝いしたほうが球磨川としても嬉しいんじゃねぇのか?」

「そうは言ってもだよ、人吉。禊ちゃんは今まで一人だったって言ったんだよ?

 そしたらやっぱり皆でサプライズパーティーとか開いてあげたいじゃない」

「うむ、悪くない話だな。善吉、生徒会室をパーティー会場に作り変えるぞ!」

「いいと思いますめだかさん!!」

「……あー、分かった分かった。お前ら俺の意見なんて初めっからアテにしてないだろ」


 現在。

 禊ちゃんはマイナス13組の話し合いだかなんだかで今日はまだ生徒会に来ていなくて、私は皆に必死で考えた「禊ちゃん誕生日計画」を伝えたのだった。

 反応は激烈。黒神さんは目を輝かせて準備に乗り出し、阿久根先輩はGOサイン。唯一首を捻ったのが人吉だったけど、人吉だからまぁ良し。

 あれよあれよとお膳立ては済んで、生徒会室には紙の花が飾られ丸いわっかが縦横無尽に駆け回り、挙句生徒会長の椅子が誕生日の主役の王様席になった。


「後は球磨川が来るだけだな」

「中々にいい出来栄えだな。それはそうと喜界島会計」

「はい?」

「この誕生日ケーキは手作りかな?」

「どっ、どこから見つけてきてっ!!」


 確か、家庭科室に置いてもらった筈のケーキはいつの間にやら黒神さんの手に渡っていた。


「先ほど米良食育委員長が持ってきてな。

 そうかそうか、いいなぁ手作り。心が篭っているぞ?」


 可々、と彼女は笑う。

 人吉が時計をちらりと見ていった。


「読んでこいよ、そろそろ会議も終わるだろ」




 
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