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□女王陛下の一日観察日記
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※トランプ兵視点。超捏造ね完全にネタ。



 御機嫌麗しゅう、私、クラブの3と申します。通称クラノさん、です。以後お見知り置きを。

 本日は日頃お仕えする我が愛しき女王陛下の一日を追うことになりました。


 理由?


 一言で言えば、本日は有休ですので、暇つぶしでございます。

 あ、あと、不思議の国のアリス様たっての依頼でもあります。陛下の事が知りたいとかなんとか。

 まぁ、アリス様ったら、陛下といちゃいちゃラブラブしたいのかしら。

 それはトランプ兵一同とてもとても興味を惹かれる所で御座いますが、ひとまず今は陛下の一日を観察することに致しましょう。









 おはようございます。


 鳥の鳴き声が実に清々しい朝になりました。

 クラノさんとても眠いです。

 只今AM4:30です。

 流石に寝室を忍び込む事は躊躇われましたので、陛下には失礼ですが、隠しカメラを仕掛けさせて頂きました。

 早速覗いてみることに致しましょう。



 まだお休みのようです。

 傍らに女性―――あれはハートの2、でしょうか。

 裸ですね、艶めかしいです。うふふ…。

 っと、

 失礼、私としたことが別のことに気を取られてしまいました。

 女王陛下は流石と申しましょうか。

 恐らく昨夜行われていたであろう、色事の痕跡は全くありません!

 これはこれは相手の疲労を考えるとかなり激し……



 ギー…ギガガガガ……


 あら……?画面が…

 暗くなっ………


 ピー―――…。


 はい、隠しカメラ壊れました。

 何ということでしょう。

 寝起き陛下を眺めることは適いませんでした。

 しかし疑問点が一つ。

 画面が暗くなる瞬間、何かが飛んできたような。

 気のせいですね。

 アリス様には申し訳ありませんが、場所と時間を変えることと致しましょう。









 と言うわけで午後一時を回りましたこんにちは、クラノさんです。

 え、遅いですか?

 て、天地神明に誓ってもう一度寝直したら昼前だった訳では……申し訳御座いません。

 さて、午後は陛下は公務をなさいます。

 いつもは、役立たずの首を斬ったり刈ったりしておりますが、今日は違うようです。


「お呼びでしょうか、女王陛下」

「何、君に一つ頼みがあってね。いや、構えなくていい。

 ほんの些細な頼みなんだ。聞いてくれるかな、帽子屋」

「勿論。私は女王陛下に忠誠を誓った身ですから」

「そうか、いい心がけだ。

 そうだな、私の頼みは――…」


 困りました、よく聞こえません。

 ちらりと陛下が扉の陰にいる私を見やった気がしましたが、まぁ私の思い違いでしょうね。


「分かりました、陛下。お任せ下さい」


 帽子屋さんがゆっくりと立ち上がりました。

 ああ、陛下は一体何を依頼されたのでしょう?

 気になります、気になりすぎて私の心は熱膨張を起こしてやがてビッグバンで、ジ・エンドすることでしょう。

 と思っていたら、なんと帽子屋さん、私の目の前で止まりました。


「おい、そこのトランプ兵」

「………え、」

「お前だお前。朝っから女王陛下の周りうろちょろしてるらしいじゃねえか。

 ……何が目的だ」

「え、は、あの………。

 しっ、失礼致します!!」


 帽子屋さんの拳銃が間近です。

 死にたくないです、助けて助けて助け……。


「綺麗な女に拳銃向けんじゃねぇよ。

 相変わらず女の扱いはちっともなんだな、あんた」

「アリス、お前何でこんなとこにいるんだよ」

「なんでって、あれだ、俺の許可も得ずに勝手にふらふらするなって奴?

 あーあとジャックを縛って殴って半殺しに来た」


 アリス様が目配せして下さいました。

 ここは俺に任せて先に行け!!と言う奴でしょうか。

 格好いいですね!!

 そそくさ逃げ出しました。

 後ろで拳骨が落ちる音、牽いてはアリス様の短い悲鳴が聞こえてきましたが。


 アリス様、ありがとうございます。










 ふぃー、もう陛下の一日とかどうでもよくなってきましたこんばんは、クラノさんです。

 あの後必死で走り回ったので只今絶賛迷子中です。

 不思議の国のどこか、と言うことは分かっているのですが……。

 あらら、何だか暗い穴蔵に入り込んでしまった様。

 出口はどこでしょう、


「なんだお前。トランプ兵が僕に何の用?

 女王様からなんか言伝頼まれたの?」

「しっ、白ウサギ様!?」


 な、なんと白ウサギ様の寝倉に来てしまったようです。

 数々のご馳走を乗せたカートを押しています。白ウサギ様自ら作られたのでしょうか?


「何だよ、何もないのに来たわけ?」

「まっ、迷いました」

「はあ?」


 ああ、眉を顰められました。


「何、女王様の兵ってそんなに馬鹿だったっけ?

 仕方ないなぁ、おい馬鹿にゃんこ」

「馬鹿なんて酷い言い様だと思わない、うさちゃん」

「うるさい、偶には役に立って見せろ馬鹿。ほんと使えない猫だな」

「はいはーい、僕はどうせ何も出来ないもーん、行こっか、お城まで案内してあげるよ」


 いつの間にか真後ろに、チェシャ猫様がおられました。

 も、申し訳ない……!!


「クラブの3、だっけ。でもいいの?

 君、確か女王様のストーカー罪で指名手配されてたけど」

「………はい?」

「だから、ストーカー」

「そっ、それはアリス様たっての依頼で!!

 そのっ、女王陛下の私生活を探って欲しいって」

「…あんの馬鹿アリスっ!!

 おいチェシャ猫、やっぱそいつ僕が連れていくよ。

 あの偽者のせいでこれ以上カードが減っても困るんだ」

「あ、そう?」

「白ウサギ様?」

「行くよ」


 どうやら帰宅の時間のようです。











「ほんっと余計なことしかしねぇなこんの馬鹿アリスっ」

「だってー、毎日暇なんだしー、女っ気無いしー。

 アリス不服ー」

「語尾を伸ばすな語尾を」

「えー、」


 帰ってきたら修羅場でした。

 はい、クラノさんはやっぱり帽アリ最高だと思いました。


「全く引っ張り回してくれたな、クラブの3。そんなに私にお仕置きされたかったのかな?」

「もっ、申し訳御座いませんでした、陛下!!」

「今回は手打ちにするが……。

 次は覚悟するように」


 ああ、なんてお優しいのでしょう女王陛下。

 私の一日はこの為にあったのかと思うほど美しい横顔です。

 hshsです、陛下!!


「あー、あんた、巻き込んじまって悪かったな」

「何を仰りますアリス様っ!!

 私こそ美味しい陛←アリをありがとうございました!!」

「は?」













▼観察日記、これにてっ

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