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≪薄桜鬼お礼SS≫
沖千
この手紙を読み終えたとき、
君がどうか、
「笑顔で、います。
笑ってます、私。
だから、どうか心配しないでください、総司さん………っ…」
うまく笑えてるかな、わからないや。
だけど、だけど、
総司さん、貴方が望むのなら私は絶対泣いたりしませんから、どうか、安らかにいてください。
『僕は君を残していってしまうだろうね、千鶴。
だけどどうか忘れないで。僕は君を誰よりも愛してる。
僕は君を幸せにできないかもしれない、それでも最後の最後まで傍にいるよ。』
そう言ってくれたのは何時の事だったかな。
その通りですよ、私を残して勝手に逝っておいて、笑え、なんて自分勝手すぎます。
それでも貴方の最後の願いなら。
「貴方のいない世界で私は誰よりも幸せに笑って見せますから」
桜を見るたびに、若草に包まれるたびに、紅葉を愛でるごとに、雪に触れるごとに、
貴方との思い出を抱きしめて。
▼さよならプレリュード