no title
□Ⅱ
1ﾍﾟｰｼﾞ/3ﾍﾟｰｼﾞ
≪稲妻お礼SS≫
涼南
多分誰よりも愛してるなんて言ったら君は鼻で笑ってしまうのだろうね。
知っているさ。君はそういうやつだ。
私が君を愛するなんて陳腐な人形劇のようなもので、到底ありえないことだったはず、なのにね。
ああ、大好きだよ、南雲。
もう君さえ居れば何もいらないや、そう思えるくらいにね。
だからと言って君もそう想ってくれてるのかと言ったらそれは違うのかもしれないけれど。
「君なんて死んでしまえばいいのに、南雲」
言葉にすればたった二文字。
それが私には遠すぎる。
そうさ、私はこの上なく臆病だ。
愛してくれないなら、嘲笑って憎んでよ。
そうして私の願いなんて唾棄しまえばいい。
「そりゃ、俺の台詞だ」
想いを告げる術を持たない私は、こうして今日も毒を吐く。
▼「スキ」なんて言える筈が無い