創作置場(短編、詩)

□resigned
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蛍のようなか細い生命線
苦しみながら逝くなら
いっそあなたに殺して欲しい
押さえきれない衝動
深く沈んだ色をしている
いつも押さえきれなくなって
手首に線を入れる
深く溢れ出てくる朱は
それだけが私の命の証明
何時か死ぬかもしれない
そんな事解っている
忍び寄る夜を追い返したいだけ
薬を飲んだって一時の快楽だけ

ある日白い部屋にあなたが来て
ここから出よう、そう言った
そのとき白い壁に
赤が飛び散って、
ああこれで楽になれる
そう思った
一秒が半分になって
そのまた半分に分散されて
私は長くの時間を
感じようとしてた
また赤が飛び散って
あなたの温もりも感じた
あなたがここにいる
私のために
わたしも
ここに
いる




為に
分散される刹那、
死の喜びだけを感じた

目覚めたらまた白い壁の中
私は死んだんだなと思ったら
そこにはあなただけ居なかった
私の傷口には無数の縫った後が
よこたわっていた
ああ生きているんだな
あれだけ覚悟した死が
遠のいていくのを感じた
あんなに死にたかったのに
今でも自分の命を恨んでいて
あなたまで殺してしまったのに
その罪まで背負わなくては
私は生きていけないのに
どうしてここにいる?
死にたい、死にたい
死にたい死にたい死にたい
死にたい死にたい死にたい
死にたい死にたい死にたい
私の理性は吹っ飛んでいた
たかが、死のためだけに
されど、死のために

私は気付いたら
点滴を引きちぎって
あんな下らない機械も
なにもついていない状態で
屋上にいた
この柵を乗り越えたら
私の命は無くなるのだけど
その場にいる喜びを
感じていた


Fin.

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