創作置場(短編、詩)
□regret
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「こ、うかい?」
「後悔。後になって手放したくなかったよって」
「さみしいの?」
「切ないよ、この世で一番」
「わたしじゃ、だめ?」
「君の事なんだよ」
「わたしのこと?」
「あの時俺が止めてればこんな事にはならなかった」
「わたし、しらない。こわいことしか、おぼえてな…」
一瞬で君の唇を奪った。
そこに伝う君のナミダ。
しょっぱくて、世界一切ない味。
それは。
もう一年前の事であるのに今日のことのように俺の頭の中で渦巻いている闇。
君の中にいるのは、大人の君の中にいるのは、せいぜい小学二年生。
こうなってしまったのは自分のせい。
高く、下をのぞき込むと死が見えそうな橋の上に二人はいた。
俺が運転するバイクに二人乗りして、二時間以上かけてきた場所だった。
―死にたい。
発端は君の一言だった。
死なせてたまるものか、必死で此処まで来た。
何も考えず此処まで。