□恋愛対象
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私は突然の事で驚きを隠せなかった。








-------------恋愛対象







「梨沙が好き」





「え?」

幼なじみのひとつ下の要。


弟みたいな存在だし恋愛対象には到底見てはいなかった。



「答えは待つから」




驚きのあまり声も出なかった


我にかえったときはもう要はいなかった。



どういう事?

好き?

今まで私の事を?



要は学校でも秀才でスポーツ万能で学校で人気者な奴なのに


こんなたいして美人でスタイルも良くないし鈍臭い地味に生きてる私なんかを…?




有り得ない…

何かの間違えなんかじゃないの…?



何度も疑った。





「遅かったじゃん梨沙!」

「ごめん亜稀。」

「要君何だって?」

「う…ううん何か伝言頼まれちゃって…」

言えない…

いくら親友の亜稀でも死んでも言えない

噂になったら大変な事になる



穏便に丁重に断ろう…。


私は要の事恋愛対象には見れないよ。



「そうなの、じゃあもう帰ろう。」

「うん」


「それにしても梨沙は羨ましいなあ」

「要君と幼なじみなんてさ」

「こんな地味な私が幼なじみでいいのかね…」

「そんな事ないじゃん」

「でも要君人気だから彼女出来たら大変そう…」


「……うん」




「ねぇ。あれ要君じゃない?」

「まさか…」

「とりあえず私はここで!」

「え!ちょっと亜稀!」


亜稀の奴逃げ出した…!








「梨沙遅い。」




「要………」


「今日俺の母さんと梨沙の母さん旅行でいないから二人で食べろだって。」




「……そうなの?」

「気まずいなら別にいいよ」

「いや大丈夫」

「じゃあファミレスかどっか行く?」

「うん。」










****



前代未聞だと思う。


告白された相手と再会して二人きりで一緒にご飯食べてるんだから…



「………要また背伸びたでしょ。」


「梨沙が縮んだんじゃないの?」

「うわっちょっと酷くない?」


「でも本当大人になったよね」

「昔は弱虫だったくせに」


「そんな時もあったな」

「梨沙は昔から変わらないな」

「そう?」

「うん。」


「俺は昔から好きだったんだよ」

「物心ついた時からずっと。」

「梨沙は俺の事恋愛対象に思ってないでしょ?」


「まあ仕方ないか」


「さっ食べよう。」




私はずっと永遠の幼なじみだと思っていたけど

要はずっと私への気持ちを隠していたんだ。





私はどう思う?

どう思っているの?
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