□Again
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私達は



それぞれ思いを抱きながら



それでも




それでも再び前に進まなきゃいけないんだ












------------Again
















私は5歳で親に捨てられて

施設に引き取られた。



その施設も畳むことになって新しい施設に移り住む事になった。



「よろしくね」


「よろしくお願いします」


渡辺志帆、現在15歳


実質明日から高校生。




「みんなと仲良くね」

「はい。」

そう返事はしたものの自信がない

前の施設でも友達は少なかったし何しろ人見知りするからだ。

嫌われるタイプに入ると思う。




「新しい子?」

「え?!!」

急に私の前に現れた


漫画に出てきそうなかっこいい人………

茶色の髪、瞳…

思わず見とれてしまう



「名前は?」

「渡辺志帆です」

「志帆ちゃんね…覚えた。」
「寛!ナンパしないでちょうだい!」

「うるさいなあ母さん」

「あの…」

「あっ!俺は西川寛(ひろ)」

「18で今年高3。」

「宜しくね」


「あっ…宜しくお願いします」




………っ

なんか緊張した………

それにしてもかっこいい人だなあ…














「えっと同じ部屋の秋山里花です」

「15歳の今年高1」

「あなたは?」

「あ…渡辺志帆…15歳」


「もしかして同い年?」

「よろしくねー!!!!!」

「よ…よろしく…」

「えっとね…特に無断外泊以外の規則は無いんだけど…」

「あえて言うなら………」






「寛兄に恋愛感情持たない方がいいって所かなあ…」


寛兄…??


さっきの西川君かな……



「西川君……ですよね?」



「そうそう!あいつは優しそうな顔してすんごい女タラシで残酷な男だからっ!」

「はあ…………」




「私のクラスメートの何人かも遊んで捨てられたからさあ…」


「まったく寛兄は何を考えてるんかねー…」


「そうなんですか…」



遊んで捨てられた。か……



「大丈夫です。ありがとうございます」




「敬語なんてやめてよ〜」

「里花でいいから里花で!」

「うん……」





生きてきて15年間


私は傷つけられてばっかりだ。



あるとき気がついた。



人と関わらなければ…


孤独でいたら



傷つかない………と。









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