clap★dream

□幼き日の約束〜もう一度君に…〜
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「光一って…、本当に私の事を愛してくれてたの?」









『……すまん。』






「ほんっとに…最低…

さよならっ!」






ガチャーーバタンッ!!









女に振られた…。





大抵、振られる理由は「私を見てくれてない。」とか「他に好きな人いるんじゃない?」とまぁ…





いつも、同じような結末。








別に、二股とかそんな器用な事できへんし…







同時に付き合うなんて、もちろんした事無い。
















ただ…







忘れられない恋があるだけ。








女性に振られる度に思い出す。





俺の中の確かな記憶…








もう…本間に遠い、遠い俺が子供の頃の淡い初恋っちゅうやつや…。










この俺がそんなん引きずるなんて、自分自身が一番驚いてる。















けど…









忘れられないあの思い出。








大人になって、いくつかの恋を経験してきたけど…














あの日、出会った小さな女の子が心の奥の方に今でも鮮明に存在してる。













何故だろう?








この想いに答えが出る日が来るのだろうか?














確か、あれは家族で旅行に出掛けた時に出会った女の子。








心の優しい、愛らしい女の子。







覚えているのは、彼女の名前と年下だった事。



初めは、妹が出来たみたいで嬉しかった。








知らない土地を彼女が丁寧に案内してくれたっけ。






姉ちゃんと俺をいろんなとこに連れてってくれた。






公園で小さなネコの世話もしてたっけな…




怪我してたのを助けて、それ以来世話してるって…


家で飼えないからって泣きそうになってた。







小さなネコと遊びながら、


不意に見せる彼女の笑顔に少年ながらにもドキドキしたのを覚えてる。














ほんの数日しか一緒に過ごして無いのに…








俺は、彼女の可愛らしい笑顔に惚れていた。











やから…別れの日。








姉ちゃんから貰ったおもちゃの指輪を君に贈った。







『なぁ?大人になったら、僕のお嫁さんになってくれへん?』





「うん!光ちゃんのお嫁さんになる!!」





キラキラと光る純粋な瞳で言ってくれた。









小さな手を取って、左の薬指におもちゃの指輪をしてあげたっけ…










ガキの頃の思い出なんて、儚いもんや…








それなのに今でも鮮明にあの日の事を覚えてる。







俺のプロポーズに答えて満面の笑顔をくれた、あの純粋な小さな女の子を…。









彼女が今、何処で何をしてるかもわからない。













それなのに……








胸の中で燻るこの想いは……











どうなるんやろうか…?
















いつか…、彼女に再会出来る日が来るのなら…















今度は、本物の恋や愛を…













君としてみたいと思っとるよ。



















運命ってやつが再び、二人を引き合わせたなら…

















『あの…?どないされました?』










「あっ……この仔ネコ…怪我してて…。」
















あの日の小さな約束を本物にしたいと願ってる。






















end???

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