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□憎い、でも好き
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「んぁー…。ねみぃ…」

外から聞こえる鬼の声が、目覚まし時計の様に俺を夢から現実に引き戻した。

あのクソ鬼…
静かにできねぇのか…!


ふと隣に顔をやると、髪の長い男がまだ眠っている。

「…ラディッツ、ごめんな…」


髪をそっと撫でた。

大切なものを触れるように。





俺はこいつを


知らないうちに傷つけている。




だからもう


一緒にいる資格なんてない。




俺のことは忘れてくれ。




バーダックによろしくな。



幸せになれよ…





柄にもなく、静かに家を出た。
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