献上

□鈍感王子の初恋
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「ジェイドっ!!!」
書類を片付けていた手が止まるほどの、強い口調。そして机が叩きわれるのではないかと思うほどの力で、彼の両腕は眼前に振り下ろされた。
きりりと釣り上がった目に詰め寄られて、比喩表現ではなく目を丸くする。
例えば。そう例えば、自分が彼に責められるような非があるならば、そんなに驚く事もなくただ過去を振り返り後悔をして、謝る等しただろうが。
叱責されて思い出すような非は、ここ最近の記憶の中に彼を怒らせるような事をした覚えは、一切ない。
だからこそ言葉通り「目を丸くした」まま、はいとたっぷり間を空けて返事を返した。








鈍感王子の初恋
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