図書室

□☆晴天の雪
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 空は快晴。


 だが、まだ冬の風が頬に冷たい。


 一人歩く、一護。


 向かうは、泰虎の家。


 早く会いたい。


 足が自然と早くなる。


 後少しで、着く。


 心が自然と浮かれる。


 ふと目の前を柔らかく落ちる白いもの。


 快晴なのに、舞い降りるのは、


 真っ白な、雪。


「雪だ…」


 粒の大きい、牡丹のような雪がたくさん。


 時間も忘れ、しばらく見上げてしまう。


 舞い降りるその雪が、とても綺麗で。





 気付くと、泰虎が隣にいた。


「…チャド」


「…ム」


 泰虎は、少し遅い一護を心配して、出てきたようだ。


「…綺麗だな」


「…あぁ」


 泰虎の口元が笑っている。


 一護と同じ時間を共有していることに。


 一護も笑う。


 同じ感情を抱いていることに。





「…そろそろ中へ入らないか?」


 一護を気遣う泰虎。


「寒くねぇよ」


 強がりではなく。


 泰虎がいるから。

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