図書室

□☆鉄箱
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 好きだと言えたら


 愛してると言えたら


 どんなに楽になるだろう


 でもこんな気持ち


 伝えられるわけがない


 相手は男で


 俺も男


 伝えてしまえば


 今までの関係が


 脆く、崩れ去る


「…一護?」


 黙っている俺の顔を


 覗き込んでくる


 間近に迫る顔は


 いつも通り優しくて


 思わず


 想いをぶちまけたくなる


「…なんでもねぇよ」


「…そうか」


 お前の隣は


 居心地がいいから





 想いは


 堅く鎖した


 鉄箱の中に

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