Hyotei
□You are my Valentine
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「今年のバレンタインは、何も用意するな」
景吾から言われた一言に、私は納得できないでいた。
有り難くも何ともないような態度で女の子達からプレゼントを受け取る景吾。
何で、彼女のプレゼントがいらないのに、他の女の子達のは受け取るの?
当たり前のように「すまん、彼女以外からは受け取れへんのや」とデレデレしながら言う忍足の椅子を蹴り上げて、文句を言われる前に私は教室から出た。
(ああもうっ、イライラする!)
景吾は私が料理が苦手なのを知っている。だから、私に手作りお菓子を求めていないことぐらい分かってる。
今年はチョコを買うか、それとも小物か何かをプレゼントしようかなぁなんて悩んでいたところで、あのセリフを言われた。
そりゃ、まだプレゼント買ってなかったから、困らないけど…。