ショートSS

□だって、さあ…
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朝。


目が覚めると共に、体中が熱くて苦しいことに気づいた。
重い頭を横に向けると、毛布は全てベッドの下にあった。あまりもの暑さに、服も脱ぎ捨てた方がいいと胸に手を当てた瞬間。

「――――ッ!!!?」

零は、声にならない悲鳴をあげた。

(む…胸……が…!?)

起きあがって確認をしようとするが、体が重くて動かない。
暑さは増す一方。しかもその場所が問題だった。

(く…)

下半身が異様に熱く、疼く。
まるで赤木に途中で行為を放置された時のような、それくらいの疼きようだった。

(だ…だめだ…!)

身体が勝手に動く。性欲の解放を求め、零の自身を抜こうと。

(…っ………?)

だが、そこに自身はなかった。

(嘘…だろ…)

くちゅ、と粘着質な音がしたのは突起ではなく、穴だった。


「零、遅いから迎えに来たぞ」


「!!!」

刹那、零の身体は瞬時に焦りで固まった。
パニックになった頭で必死に記憶を辿る。
そうだ、今日はカイジに買い物に付き合ってもらう予定だった。
零が行く予定だったがあまりにも遅かったため、カイジが迎えに来てしまったのだ。

「零ー?」

「…っ…!」

必死で声を我慢するが、指がずぶずぶと入っていく感覚がたまらなくて、指が勝手に動く。
「……あっ…」

「零?」

気づかれた。とにかく理由を付けて帰って貰おうと、零は既にほぼ力を無くしたその足を奮い立たせ、ドアの鍵を閉めようと歩く。
だが力及ばす、ドアにぶつかってそのままへたるように座り込んでしまった。
その物音に、カイジが気づかない訳がない。

「どうした…?零…?」

声が焦りだした。見つかるのも時間の問題。
だが、それがおかしくなっている零を追い立てる。

(カイジさんが来る…男が……おとこ…)

ぐちゃぐちゃになった頭の中に過ぎるのは、自分に覆い被さっているカイジの姿。

(だめ…だめだろ…っ!?)

妄想してはいけないと強く思うが、狂った頭はそれを拒否した。

「んっ…んん…」

指が、妄想を動きに変える。
既に多くの蜜が溢れ出しているそこは、抜き差しを繰り返す度に卑猥な音を部屋に響かせた。

「……ん…ッ」

声だけでも我慢しようと口をふさいだ零。
だがその瞬間、背中がドアに押された。

「―――ぜっ…………零…?」

「っカイジ…さん…」

カイジは零の体を見ると固まり、赤面した。

「い…妹……って…声が零だよ…な…」

目をそらしながら確認をとろうとしているカイジ。
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