ショートSS

□見えなくなる
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見えなくなる




「カイジさん…もっと激しく…」
既に肩で必死に息をしている零が吐くように命令した。
された側は目を虚ろにしながら息を荒げている。
「む…無理に決まってんだろ!?」
もうすでに何回果てただろうか。何回中に出してしまったのだろうか。
この状況では、思い出すのも難しい。
今、意識を保つのでも限界だというのに。
(頭がクラクラする…)
目の前の景色が確実にモノクロに侵食されている。あとどれくらい保っていられるのだろうか。
「カイジさん…っ…」
零が自分の名前を読んでいる。
震えた声を絞り出しているのを見ると、そちらも限界のようだ。
だが一向に、腰の動きは止まらない。
「どうして、っ…あんなに…あんなに媚薬を飲ませたのに…」
「ぎ…逆効果だ馬鹿…っ!気持ちいいどころかっ…頭が、働かねえよ…!」
そう怒鳴ると、零は眉尻を下げ、瞳から涙を流す。
「だって…カイジさんが構ってくれないから…!」
さすが媚薬効果といったところだろうか。普段は大人しい零も激情に身を任せてしまっている。
「はぁっ…くそ…」
手に力が入らない。
両腕で自分を支えるのがやっとだ。
すると零がゆらゆらと腰を揺らし始めた。
「俺が…気持ち良くしてあげます………っ、」
そんなにたまっていたのかとあきれかけたが、さすがにやられているわけにはいかないので、こちらもゆるゆると抜き差しする。
すると待っていたかのように零の締まりが良くなり、喘ぎ声があがる。
「っ…くそっ…動き方がいちいちエロいんだよ…!」
カイジの果てたはずの身体が、反応をし始める。
また、駆け上がる快楽。
(そんな顔されたら嫌でも反応しちまうだろ馬鹿野郎…!)
カイジは薄れる意識を無理矢理覚醒させながら、また、零にのめり込んでいくのだった。



...

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