long novel
□第5話
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『やっと会えた。タカオ。』
『お前は...。』
『なんだお前、これだけ一緒にいるのに初対面だからって分からないのか?』
初対面じゃ分かんないに決まってるだろう。ていうか一緒にいるのに初対面っておかしくないか?
『...そんな顔するな。話をしたことはあるんだぞ?』
『話?』
ああ、そういえばこの声どっかで...
ノイズと共に思い出すあの声。
「それなのに諦めるなんて、許さなイ!!」
ザザザ―――...
「―――諦めるな、タカオ。」
ザ...――
なんだ?この記憶...。さっきのマックスのセリフと混じって出てきたノイズと声。
『くっ』
ノイズが大きくなって顔をしかめた。
『急ぐな、まずは目の前の敵を倒すのが専決。』
目の前の少年が指差す方向に浮かび上がるのはB-サイバードラグーンとそのブレーダー。
そうだあいつを助けなきゃ。
『俺の力を貸そう。握れ、この刀を。』
白い着物の少年が腰に付けていた刀を渡して来た。
本物の日本刀だ。じっちゃんに何度か持たせて貰ったことはあるが、やはり重い。
『抜け。後はその刀が教えてくれる。』
言われるままに一気に抜いた。刀身が神々しいほどに青白く光る。
ああ、これであのB-サイバードラグーンの幻影を斬ればいいのか。
すっと、音もなく構える。思い描く軌道はしっかりベイを捉えた。
俺が動き出すのと同時に相手も向かってくる。
軌道は変わらない。
そして、斬った。
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