long novel

□第3話
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「俺は今忙しい。
バトルタワーぐらい、お前達で解決してこい。」

それがカイからの返答だった。

「あんの野郎ぅホントに来ない気かよっ!」

今日はケイン達とバトルタワーに乗り込む日だ。
目的としては、建物の調査。デジタル聖獣が絡んでいる可能性が高い=バトルの可能性も高い訳で、カイが来ないのは正直痛い。
てか『ぐらい』ってなんだよ!自分だって昔、苦戦したくせに...。

それともうひとつ。
レイも未だに木ノ宮宅には来ていない。何度も携帯にかけているのに、始めのメール以降ずっと連絡が取れていない。
出発の時間まで30分を切ったので、これが最後だと心に決めて電話をかける。

トゥルルルル...
トゥルルルル...
プッ!

繋がった!!

「レイお前何やってんだよ!連絡ぐらいしろってんだ!何のための携帯だよ!!」

そう言おうとした俺の言葉は何一つ音を発しなかった。
それ以上の騒音というか爆音が携帯越しに鳴り響いたからだ。思わず耳から携帯を離す。

い、今のは銃声じゃねぇのか聞いたことないけど!!

「...もしもしレイさん?」

音がおさまった頃合いを見て恐る恐る話しかけてみる。

「ドドドドッ...タカオかっ!?すまない、ずっと連絡できなくて!ドドドドッ...」

まだ遠くに銃声らしき音が聞こえるものの、会話はできるようになった。

「えっちょ、おまっ!大丈夫なの!?銃声じゃねぇのその音!?」

「ああ、今船の中なんだがどうやら変なのが乗り込んでたらしい!ドドドドッ...そこだドライガー!」

何と戦ってんの!?絶対ベイとは違うものにドライガーで対抗してんだろ!?

「てかなんでいつも通り飛行機じゃねぇんだよ!?」

「ドドドドッ...タオ老士が『これも修行の一つ』って言ってパスポート取り上げ...ドドドドッ...んだ!!パスポートなきゃ飛行機のれないから本当は日本海泳ごうかと思ったんだが丁度いいところに船が...」

いやできてもそれ犯罪だからパスポートなきゃ!

「すまないが時間通りにそちらに着けそうにない!というか今日中は無理だ!!...ドドドドッ...まぁデジタル聖獣ぐらいならそっちのメンツだけでもでも大丈夫だろう!」

...うん。確かに『ぐらい』かもしれない。

「分かった!それとレイに一つ聞きたいことが...」








「ああ...。ありがとう。レイこそ無事に!安全に!こっちに着けよ!じゃあな!!」

「連絡取れタ?」

「ノック無しで人の部屋入んなよマックス...。二人とも来れなさそうだ。」

「そっかア。」

マックスもやはり二人を少し頼りにしていたのかもしれない。いつもの笑顔がくもった。

「...なぁマックス、もしかしてレイって天然か?」

「今頃気付いたノ?」

「...はい。」

「ケイン達が門で待ってるネ。出発しよウ。」

「ああ。」

頭を切り替える。デジタル聖獣は例えレイが相手にしているやつよりマシかもしれなくても、楽観視して勝てるほど甘いやつでもない。

...久しぶりに被るか。

バックの中に入れっぱなしにしていたしわくちゃのそれを引っ張り出す。

「...やっぱりタカオはそれを被ってるときが一番カッコいいネ!」

俺の頭には赤と青のぼろぼろな帽子が乗っていた。




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