灯りの物語

□×黒バス:赤色少年の場合
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―学校からの帰り道。


とっぷりと空は暗くなる中、一人の少年が帰路に着く。

彼は学校の運動部に所属しており、疲れた体を動かしながら、真っ直ぐ我が家へ向かう。

真夏の季節になりながらも、少年の着用する制服は規定通り、きっちりとボタンはしめてある。


少年は寄り道をする考えはない。
家には最愛の―母がいるのだから。

マザーコンプレックスと言われても構わない。
彼は兄弟は多いが、皆が母を基点にして世界を広げているのだから。
まぁ、それは彼の母がかなり[特殊]だからでもあるが。


そんなことはおいといて、やがて少年の視界には、すっかり見慣れた家。

きっと母が夕食を用意してくれているだろう。
母の料理はそこらの料理人より、はるかにおいしい。





―ただし、これは通常ならば、だ。


この時、少年は余裕皆無だったのだ。
(表情はそんなものは微塵も感じさせないが)


そして、彼は家の中へ。



家の中では、彼の帰宅に気づいて最愛と言われる母親がパタパタと足音を立てながら玄関に現れる。


「おかえりなさい。…どうしたの?」


最初は帰ってきた息子を労わるように声をかけたが、入り口から動かない息子の表情を見て、すぐに変わる。
普段自信満々(というかぶれない)な息子が意気消沈して帰ってきたら、そうもなる。


少年はその声に返事をせず(!?)、そのまま呟くように、崩れ落ちる。



「…母さん、俺、マジでキセキの主将だったよ……


「…征君、お母さん、それはもうちょっと早く気づくべきだと思うな…


鮮やかな『赤い髪』を持つ息子に、母はそう言うしかなかった…。

ちなみにこの家の表札はご察しの通り『赤司』である。







息子はキセキの主将です
恵「そのうち私、オヤコロされちゃうのかしら…」(遠い目)

征「しない!しないから!!」






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