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□宇宙みたいなキミ
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「先輩って宇宙みたいです」
「え?」
梓君と昼休みを一緒に過ごすため、屋上庭園で昼ごはんを食べていた時のこと。昼ごはんと言っても梓君は宇宙食を片手に持ち、それを食べている。ベンチに腰を掛け、それぞれ持ち寄った昼食を食べながら他愛もない話をしていたけれど、梓君が言った一言に私は首をかしげた。



「どうして?」
「先輩と付き合って先輩のこと、分かってきたりもしましたが、まだまだ知らないこと沢山あるなーって。宇宙ってまだまだ僕たちが知らないことが沢山あって、知る度に新しい発見がある。それって先輩に似てるなって思ったんです」


私と梓君が付き合い初めてもうすぐ1年が経つ。去年の夏に出会い、一緒に過ごしていくうちに いつの間にか梓君に惹かれていった。それは、付き合う前も今も変わらない。私はこの年下の彼氏に恋をする。それはこの先も変わらないと思う。


「それなら、私もまだまだ梓君の知らないところあるよ」

梓君のことを知る度に好きになるから。


「そうですか?僕、けっこう分かりやすいと思いますよ。先輩が好きだって気持ちは誰にも負けませんし、 負けるつもりもないです。僕が執着している人はあなた以外に存在しません」

自信満々に言う彼。さらりと言われた言葉に恥ずかしくなる。


「おや?顔が赤いですよ、先輩。頬を染めた先輩、可愛いです」

近かった梓君との距離は梓君がさらに近づいてきたことによって、縮まっていた。そして頬に軽くキスを落とされた事に気が付く。

「あ、梓君!?」

急な出来事に気が動転して上手く喋れない。

「そんな表情、僕以外の人に見せないでくださいね。先輩のその愛らしい顔を見るのは僕だけの特権ですから。もちろん、誰にも渡す気はないですけど」

気が付けば私は梓君の腕の中にいて。


「まだまだ知らないことを沢山知りたいです。 大好きな先輩のことなら尚更ですよ」と、梓君に耳元で囁くように言われ、 頬の熱が一気に上がるのが分かった。



END
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