stsk
□ある日の放課後
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side錫也
さっきまで、頬を赤く染めていた月子は急にむくれ始めた。照れ屋で負けず嫌いなところもあるから、そっちのスイッチがはいったんだろう。
(本当に可愛いよなぁ)
なんて思っていたら腕の中にいるあいつが俺の名前を呼ぶと頬にキスをしてきた。それは一瞬の出来事。恥ずかしくなったのか、月子は俺の胸に顔をうずくめながら、ごもごもと「さっきの仕返しなんだからね」と言った。
どんなことであれ、こいつからキスをしてくることは滅多にないから嬉しい。月子にとっては仕返しの一つで思い付いたことなんだろうけど、俺を嬉しくさせるだけだ。だけれども、俺を驚かすには十分な仕返しだとも思う。
腕の中にある愛しい存在を思い切りぎゅうと抱き締める。
「錫也…?」
「さっきの反則。もっとお前とキスしたいって思っちゃうだろ?」
そう言ったのと同時に俺は月子にキスを贈った。
END