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□未来で一緒になるために
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大切なものほど、いとも簡単にこの掌からこぼれ落ちてしまう。まるで、砂時計の砂がさらさらと落ちていくように。
それを知っていながらもオレは守れなかった。
(……守れたはずなのに)
「くそっ!どうしてこうなるんだよ…!」
思いきり壁を叩いて、やるせない気持ちを打ち消そうとしても、それは消えない。
ずっと守ると決めたのに。想いが通じたあの夜から。大事な一生徒ではなく、大切な彼女として。
守りたい、そう願った。
そして、関係がバレそうになった時に出したオレなりの守る方法。それは、夜久と別れて彼女の傍から離れて距離を置くこと。彼氏としてではなく、彼女の担任教師として接すればいい。そうすることによって、かけられた疑いが消えてくれれば、とオレは思った。